世界的な広告賞「クリオ賞(Clio Awards)」の受賞作品の一覧表です。(JDPアセットマネジメント株式会社)
アメリカで開催
クリオ賞は1959年に設立されました。毎年、アメリカのニューヨークで開催されます。仏カンヌライオンズ、米One Showと並び、世界三大広告賞の一つとされます。日本からも毎年、電通や博報堂などが参加しています。
革新性を備えた作品
革新性を備えた作品が選ばれる傾向が強いのが特徴です。広告を総合的な視点から審査する姿勢から「広告界のピュリツァー賞」とも呼ばれています。
最高賞(グランド)
テレビCMを対象にした「フィルム部門」の最高賞(グランド)の受賞者をリストにまとめました。動画付きです。最高賞の「グランド」のほかに、次点の「ゴールド」という賞がありますが、こちらは掲載していません。
2023年(第63回)
広告主と商品 |
スーパーセル(フィンランドのゲーム会社)
「クラッシュ・オブ・クラン」 |
業種 |
ゲーム |
作品名 |
「Clash from the Past」
(クラッシュ・フロム・ザ・パスト) |
内容 |
スマホ用のゲーム「クラッシュ・オブ・クラン」の宣伝動画。
このゲームは、2012年に発売されたアプリだ。
つまり、製品化されてから10年しか経っていなかった。
ところが、本作は「40周年記念ドキュメンタリー」という架空の設定。
1982年にゲームセンター用の機械ゲーム(アーケードゲーム)として発売され、
世界のゲーム市場を席捲した――というストーリーをでっち上げた。
完全なコメディだ。
偽物のゲーム創設者や愛好家が、次々と証言者として登場。
真面目にそれっぽく語っているのが面白い。
1980年代や90年代のノスタルジーにあふれる偽ニュース番組や偽CMなどの映像が次々と流れる。
ファミコンなど初期のコンピューターゲームへのオマージュも感じさせる。
動画の長さは20分。Youtubeなどで数十万回再生された。
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広告代理店 |
ワイデン+ケネディ
(米国オレゴン州ポートランド)
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<動画>
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2022年(第62回)
広告主 |
Change The Ref
※米フロリダ州パークランドの高校内の銃乱射事件で犠牲となった生徒の遺族が設立した非営利組織。 |
業種 |
公益団体 |
作品名 |
「The Lost Class」 (失われた学年)
※銃規制のキャンペーン |
内容 |
銃規制に反対する「全米ライフル協会(NRA)」の前会長が、ある卒業式に来賓として登壇する。
その卒業式は、2021年に米国の学校内の銃撃事件で殺された生徒たちのためのものだった。
会場の席は、すべて空席になっている。その数は3,000席余り。年間の犠牲者数に相当する。
NRAのデビッド・キーン前会長は、趣旨を知らずに登壇し、演説。銃を持つ権利の大切さを訴える。
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監督 |
ブライアン・バックリー(Bryan Buckley) |
広告代理店 |
Leo Burnett Chicago(米国シカゴ)
※仏ピュブリシス・グループ(Publicis Groupe)の子会社 |
<動画>
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2020年、2021年(第61回)
新型コロナの影響で2020年秋のクリオ賞が延期となった。そして、2021年4月、2年分がまとめて開催された。2019年1月から2021年2月までに発表された広告が選考対象となった。
広告主 |
Beats (ビーツ) |
業種 |
ヘッドフォン |
作品名 |
「You Love Me」Beats by Dr. Dre (ドクター・ドレーの「ビーツ」) |
目的 |
商品の宣伝 |
出演 |
大坂なおみ ほか
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監督 |
メリナ・マツォウカス(Melina Matsoukas) |
広告代理店 |
Translation (米国ニューヨーク、2004年設立)
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<動画>
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2019年(第60回)
広告主 |
ニューヨーク・タイムズ (アメリカ) |
業種 |
新聞 |
作品名 |
「The Truth Is Worth It: Rigor」 (真実には価値がある:厳格さ) |
目的 |
新聞の調査報道による真実の追求の大切さを訴え、
新聞購読への申込を促す。 |
内容 |
アメリカで最も権威がある新聞の一つとされるニューヨーク・タイムズ。
1年半にわたる取材によって、トランプ大統領及びその会社が1990年代に行った税金逃れの疑惑を解明した。
その取材の過程で収集した音声や書類をもとに、スクープ報道を支える記者たちの地道な努力をうつしだす。
仏カンヌ・ライオンズ広告賞とのダブル受賞となった。 |
広告代理店 |
Droga5 (アメリカ) |
<動画>
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2018年(第59回)
広告主 |
アップル (Apple) |
業種 |
スマホメーカー |
作品名 |
「Welcome Home」 (おかえりなさい) |
目的 |
スマートスピーカー「Home Pod」の宣伝 |
広告代理店 |
TBWA Media Arts Lab (アメリカ) |
<動画>
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2017年(第58回)
広告主 |
ドネート・ライフ (Donate Life) |
業種 |
臓器提供を訴える非営利団体 |
作品名 |
「The World's Biggest Asshole」 (世界一の嫌われ者) |
目的 |
臓器提供登録の推奨キャンペーン |
内容 |
アメリカの俳優のトーマス・ジェーンが演じるコールマンFスウィニー。悪い行いばかりして嫌われ者だった男が、突然死ぬ。その死後、臓器提供登録をしていた男が英雄に変わるという話。近年の若年層の臓器提供が減少してきたことを受けて臓器提供登録の推奨のために作られた動画。 |
広告代理店 |
マーティンエージェンシー (アメリカ) |
<動画>
2016年(第57回)
広告主 |
オールド・スパイス (Old Spice) |
業種 |
家庭用品メーカー |
作品名 |
「Rocket Car」 (ロケット・カー) |
目的 |
男性用の体臭予防・制汗ボディローション「Odor Blocker」の宣伝 |
内容 |
バカげたチャレンジに真顔で取り組む男性を主人公としたストーリーで自作のロケットカーで初走行し、見事に失敗する様子が描かれている。「Odor Blocker(体臭予防・制汗ボディローション)が汗を抑えてくれるから、常に全力で己の限界に挑戦することができる」というメッセージを伝える。 |
広告代理店 |
ワイデン+ケネディ (アメリカ) |
<動画>
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2015年(第56回)
受賞者なし
2014年(第55回)
広告主 |
ギネス (GUINNESS) |
業種 |
ビール醸造メーカー |
作品名 |
「SAPEURS DOCUMENTARY」 (サプール・ドキュメンタリー) |
目的 |
「エレガントであることにすべてを捧げる」美学を持ったファッショニスタ集団が「サプール」を起用したギネスビールの宣伝 |
内容 |
「サプール」とは内戦や独裁から今も多くの人が飢えや殺戮のあるコンゴ共和国で「武力よりファッションの優雅さをもって平和を実現する」美学を持ったファッショニスタ集団。混沌としたコンゴの街で働く男が、仕事を終えシャワーを浴びたあとにカラフルな色のスーツに身を包み出かける。行きついたクラブでおしゃれに仲間たちとギネスビールを楽しむ姿が描かれている。
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広告代理店 |
Abbott Mead Vickers BBDO (イギリス) |
<動画>
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2013年(第54回)
広告主 |
ガーディアン (The Guardian) |
業種 |
大手新聞社 |
作品名 |
「Three Little Pigs」 (3匹の子豚) |
目的 |
新たなメディアサービスの宣伝 |
内容 |
童話3匹の子豚をベースに、オンラインやSNSの要素が加わった現代版のストーリー。1つの事件からソーシャルメディアのディスカッションを通して、最終的に予期せぬ結果になるレッテルや情報だけで決めつけてはいけないと考えさせられる話。 |
広告代理店 |
BBH (イギリス) |
<動画>
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2012年(第53回)
広告主 |
チポレ (CHIPOTLE) |
業種 |
メキシコ料理チェーン店 |
作品名 |
「Back to the Start」 (原点への回帰) |
目的 |
食材の調達にあたって、環境や健康にやさしく、人道的にも問題がない農家を選んでいるというチポレ。そのポリシーPR。 |
内容 |
家族経営の牧畜農家が牛や豚を狭い場所に押し込めて肉を大量生産する「工場式」の畜産に転換する。しかし、過ちに気づき、原点へと回帰していく。CGアニメ。 |
広告代理店 |
CCA (アメリカ) |
<動画>
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2011年(第52回)
受賞者なし
2010年(第51回)
受賞者なし
2009年(第50回)
受賞者なし